ミツバチの温度感知タンパク質を発見 名大

ミツバチが温度や化学物質を感知するセンサーの役割を果たすタンパク質を発見したと、名古屋大大学院生命農学研究科の門脇辰彦准教授らが15日付の米科学誌電子版に発表した。
 このタンパク質が活性化すると、ハチはその場所を嫌がって逃げ出すことが判明。ハチが集団で巣からいなくなる「群れ崩壊症候群」(CCD)の原因解明につながる可能性があるという。
 CCDは日米など各地で発生し、ハチが受粉を媒介するリンゴやアーモンドなどの農作物の収穫に悪影響が出ている。
 門脇氏らは、ハチやアリなどの昆虫だけが触角に持つ「TRPAチャネル」というタンパク質を発見。巣内が一定の温度を超えたり、嫌いな化学物質が蓄積されると活性化し、巣内にいたハチが巣外へ逃げ出すことを確かめた。
 ミツバチは、密集したり羽で風を送ったりし、巣の温度を幼虫の成育に適した約35度に保っている。温度をどのように感知しているかは謎だったが、このタンパク質が高温の感知に関与しているとみられるという。

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