ミニ水車のエコ活用広めよう 都留で小水力発電サミット

 身近な川や水路を利用したミニ水車による発電を全国に広げようという第1回の「全国小水力発電サミット」が16、17の両日、都留市で開かれた。最終日の全体会には鳩山由紀夫前首相も来賓の一人として登壇し、「身近な水車は地球温暖化対策を進めるためのカギ」とあいさつした。
 同市の市街地を流れる家中川では、「元気くん」と名づけられた毎時約20キロワットの発電能力を持つ小さな発電所が2基稼働している。取り組みが全国的にも早かった同市が主導し、環境省や経済産業省などの後援で「サミット」を初開催。秋田県から熊本県までの全国各地から小水力発電を導入したり検討したりしている自治体関係者や研究者たち350人が集まった。
 鳩山前首相は、自身が昨年国連で表明した「温室効果ガスの排出量を2020年までに1990年比で25%削減する」という国際公約を改めて持ち出し、「地球温暖化対策への国民一人ひとりの関心や意識が高まらなければ公約達成は難しい」と述べた。
 16日には小水力発電を支援している県企業局や北杜市、南アルプス市の担当者たちが事例を報告。17日には分科会での討論が続き、割高な発電コストや水利権の調整など、小水力発電の課題などを話し合った。課題解決に向けては、08年から「小規模水力発電」を新エネルギーのひとつとして重視する国とも協議していく方針だ。
 第2回サミットは来年、「黒四ダム」による大規模水力発電所を抱える富山県黒部市で開催される。小水力発電への取り組みも始めたという。(永持裕紀)

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