メタボリック症候群の割合や食塩摂取量、運動習慣など宮城県民の健康に関する指標が、いずれも全国下位に低迷している。改善を目指す県は、健康相談や栄養指導の強化、ウオーキングマップ作成などの対策を矢継ぎ早に打ち出し、ヘルシーな生活への脱皮を呼び掛ける。
「働き盛り世代のメタボが大きな課題と認識している。経済界や医療関係団体と連携して対策を講じたい」。昨年の県議会11月定例会で、渡辺達美保健福祉部長は健康づくりの施策に力を入れる考えを強調した。
厚生労働省の特定健診調査(2015年度)では、メタボと予備軍に該当する県民の割合は29.3%(全国平均26.2%)に達し、2年連続で全国3位。特定健診の受診率は57.6%(全国3位)だったが、特定保健指導の実施率は16.7%(35位)にとどまった。
地域別の健康状態や生活習慣を把握する国民健康・栄養調査、生活基礎調査(16年実施)では、男性は塩分摂取量が全国で最も多く、喫煙率は10位。一方、1日当たりの平均歩数は40位で運動量が乏しい。
健康増進を図るため、県は昨年8月、商業施設で健康相談に応じる「みやぎヘルスサテライトステーション」を名取市に開設。2018年度以降に順次、計7カ所に増やす。市町村や郵便局と連携し、散歩コースと消費カロリーを地図に記したウオーキングマップも17年度内に作る予定だ。
県内では子どもの肥満も深刻で、17年度の学校保健統計調査では小学1年男女の子どもの肥満割合が全国2位だった。県は保健所を通じ、保育施設に通う家庭を対象に食事内容の実態を調査し、学校と連携して栄養管理の指導などにも乗り出す。
県健康推進課の岡本咲子課長は「歩かず、塩分摂取が多いのが県民の特徴。日常から食生活や運動習慣に関する意識付けを強化する必要がある」と話す。