秋田・山形県沖と島根県隠岐諸島周辺の日本海2海域で、次世代エネルギー資源「メタンハイドレート」の存在が有望視される地点が政府の調査で初めて確認されたことが19日、分かった。これまで新潟県上越沖と石川県能登半島西方沖で確認されていたが、日本海の広範囲に存在している可能性が高まった。政府は24日から秋田・山形沖など2海域で初の掘削調査を実施する予定だ。
和歌山・潮岬沖など太平洋「表層型」…日本海は海底下数十m「表層型」
経済産業省資源エネルギー庁は、4月中旬から日本海を中心とした5海域でメタンハイドレートの調査を実施。音波を使って海底の地形や地質構造を調べたところ、秋田・山形沖、上越沖、隠岐諸島周辺の3海域でメタンハイドレートの存在が有望視される地形を発見した。
これを受け、政府は今月24日から7月1日まで上越沖、同2日から8日まで秋田・山形沖でそれぞれ掘削調査を実施する。石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が保有する海洋資源調査船「白嶺(はくれい)」を使い、海底下100メートル程度までドリルで掘り、厚みや質などを確認して埋蔵量の把握に役立てる。
日本海側では、海底表面や海底下数十メートルの比較的浅い場所に塊の状態で存在する「表層型」と呼ばれるメタンハイドレートが存在するとされる。昨年3月に産出試験に初成功した太平洋側の「砂層型」と比べ、資源量の把握が遅れており、政府は国産資源の活用に向けて日本海側での調査を強化する方針だ。