メダカの里、復活目指そう 六郷市民センターで講座スタート

 東日本大震災の津波でメダカの生息地が失われた仙台市若林区の沿岸部で、小学生親子を対象にした連続講座「メダカのがっこ」が始まった。生息に適した環境を学びながら「メダカの里」の復活を目指す。
 講座は六郷市民センターの主催。初回の6月21日は13人が集まった。
 宮城教育大の棟方有宗准教授(魚類学)が、市八木山動物公園と2012年に始めたメダカ復活プロジェクトを説明。震災前の10年に若林区井土の生息地から採取し飼育していたメダカを繁殖させ、放流に備えていることを紹介した。
 参加した若林区のアルバイト大友洋子さん(46)は「復活を目指す取り組みは地元出身者としてうれしい。自宅でもメダカの繁殖に挑戦したい」と話した。
 センターの高橋重信館長は「今後はどうやってメダカを自然に戻すかが課題。近隣でメダカが生息している水路などを見掛けたら、ぜひ教えてほしい」と呼び掛けた。
 井土地区では、生息に適した田んぼや用水路の復旧事業が終わっていない。本格的な放流は当面不可能とみられ、棟方准教授は近隣で試す考えだ。21日は講座終了後、繁殖させたメダカ100匹を宮城野区新浜の水田に放流した。
 メダカは沿岸部中心に広く生息していたが、都市化の進展に伴い年々減少した。県レッドリストの準絶滅危惧種に指定されている。
 棟方准教授は「メダカを自然に戻すには地域の理解と協力が不可欠。今回の講座を通して、生息に必要な環境を広く知ってもらいたい」と話す。
 第2回講座は7月19日。対象は小学生の親子10組。応募多数の場合は抽選する。会場は旧東六郷小。参加希望者は往復はがきに住所、氏名、年齢を明記し、六郷市民センターへ郵送するか窓口に申し込む。連絡先は022(289)5127。

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