メバチマグロ「ひがしもの」販売開始 塩釜

宮城県塩釜市の塩釜港に水揚げされるメバチマグロのブランド魚「三陸塩竈(しおがま)ひがしもの」のシーズンが到来し、販売開始式が15日、市魚市場であった。仲買人が鮮度や色つや、脂の乗りで厳選したマグロが仙台市や首都圏に初出荷された。

仲買人が目利き

 ひがしものは、はえ縄船が9~12月に三陸沖で漁獲し、市魚市場に水揚げした40キロ以上の生のメバチマグロから、取扱業者として認められた仲買人が目利きしたものという条件がある。

 15日は高知、宮崎両県の3隻が水揚げした344匹のうち、70匹をひがしものに認定し、出荷した。1キロ当たりの最高値は5700円で昨年より700円高く、平均は昨年比で337円高い1948円だった。

上品な脂の乗り

 式では、佐藤光樹市長らが鏡開きで消費拡大を願った。ひがしものを商標登録した市水産振興協議会の志賀直哉会長は「もっと多くの消費者にブランドとおいしさが認められるよう力添えを」と呼びかけた。

 市魚市場買受人協同組合は今年の「目利き人」として25人を認定。鈴木信弘理事長は「水揚げする漁業者の信頼に答えるべく、これから3カ月半の間、安全安心なマグロを消費者に届けていく」と意気込んだ。

 式終了後に試食会があり、市内のすし職人が腕を振るった。「鮨(すし)しらはた」親方の白幡邦友さん(76)は「ひがしものは本マグロよりくどさがなく、上品な脂の乗りと甘さが特徴。水温が下がるにつれ、さらにおいしくなる」と期待した。

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