インターネットに繋がるモバイル端末を2つ以上持っている人も珍しくなくなっていますが、調査によると、今年中にモバイル端末の総数は世界の人口よりも多くなると見られているそうです。
Cisco SystemsがまとめているCisco Visual Networking Indexの分析によると、2012年末までにネット接続可能なモバイル端末の数が地球上の人類の数を超えると予測されています。端末の数は2016年には100億台以上になるとみられていて、1人あたり1.4台所有しているという計算になります。
2011年上半期にはアメリカ国内で使用されているモバイル端末の数がアメリカの人口を超えているので、世界中のあちこちでそれぞれ国内人口を超える数の端末が普及していっているということになります。
この「ネット接続可能なモバイル端末」には携帯電話だけではなくタブレット、ラップトップ、携帯ゲーム機、電子書籍リーダー、ポータブル式のカーナビ、デジタルフォトフレーム、カメラ、デジタルサイネージなどに利用されているM2Mモジュールといったものも含んでいます。
ちなみに、世界的にモバイル端末による通信量は2011年まで4年連続で倍増し続けており、2016年には現在の18倍、1年間に130エクサバイトの通信が行われることになるとみられています。これがどれぐらいの数字かというと、DVDでいうと330億枚分、MP3だと4300兆ファイル分、テキストメッセージだと81京3000兆通分にあたります。この増加はストリーミングコンテンツ、特に映像関係のストリーミングが大きく影響しています。
なお、モバイルネットワークを巡っては、ユーザーにいいニュースと悪いニュースが待ち構えているところです。
いいニュースは、2016年までにモバイルネットワークの通信速度が9倍に増加すると予測されていること。今よりも快適に通信できるようになり、高画質な映像のストリーミングでもサクサク楽しめるようになります。
一方、悪いニュースは、パケット通信の定額制プランがわずかな例外を除いてなくなっているだろうということ。すでに世界的に定額制は廃止の流れにあって、たとえばアメリカの大手通信会社AT&Tやベライゾン・ワイヤレスは従量制に切り替えており、香港でも携帯電話会社各社が相次いで定額制廃止を決定しています。
せっかく通信が高速になっても定額制ではないので自由には使えず、むしろ高速で大量のデータをやりとりするので気がついたらものすごい料金になってしまうというパケ死が続発する時代になってしまうのでしょうか。スマートフォンを普及させておいて、後からはしごを外すようなマネはやめてもらいたいものですが……。