モリヤ、全株式譲渡し再生目指す 企業再生会社が支援

 民事再生手続き中の食品スーパー、モリヤ(仙台市)は26日、IT関連で企業再生も手掛けるスピードパートナーズ(東京)に全株式を譲渡し再生を目指すと発表した。同市のホテルで記者会見したモリヤの有馬隆社長は「熟慮の結果、自力再建は無理と判断した」と説明。スピード社の白石伸生社長は「有力スーパーで、いい経営者を送れば再生は可能」と述べた。
 スピード社は2006年設立で、昨年12月には民事再生手続き中のエステティックサロン大手、ラ・パルレ(東京)を支援することが決まっている。有馬社長らによると、スピード社はモリヤの全株式を取得し、今後3年で40億~50億円の資金支援を行う。債権者には債権額の2割超を支払う見込みという。
 モリヤの現経営陣は1月31日付で全員辞任し、前社長の守谷定夫相談役も退く。新社長には関東を中心に高級スーパーを展開するシェルガーデン(東京)前社長の飯田晴雄氏(61)が就任する。
 店舗は13店のうち仙台市内の加茂、台原の2店を閉める考えだが、存続の可能性も探る。パートを含む従業員約1000人は極力削減しない方針。
 仙台地裁への再生計画案の提出は延長が認められた4月25日までに行う。延長に伴って、4月に予定した債権者集会は6月以降にずれ込む可能性があるという。
 モリヤの有馬社長は「複数の支援申し出の中で、店舗数や雇用を最も残せるスピード社の案を評価した」と説明。スピード社の白石社長は「1年で黒字化を目指す」としている。
 記者会見には新社長に就任する飯田氏も同席。西友勤務時代に傘下のエンドーチェーン(仙台市)に社長として出向経験がある飯田氏は「地場ならではの良さを生かし、コスト削減や合理化も進めたい」と述べた。
 モリヤは昨年7月、約102億円の負債を抱え、仙台地裁に民事再生法の適用を申請、8月に手続き開始決定を受けた。

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