モール誘致再び断念 宮城・村田町、競合激化で転換

再浮上した東北最大級のアウトレットモールの誘致計画で、宮城県村田町は6日、計画を支援するために設置した「宅地造成事業特別会計」を廃止する条例改正案などを町議会3月定例会に提出し、全会一致で可決された。仙台圏へのモール出店構想が相次ぎ、競合が想定されることから、誘致は現時点で困難と判断した。町の誘致計画は再び、白紙に戻った形だ。

 東北自動車道村田インターチェンジ近くにモール進出を検討していたのは、外資系不動産投資会社の日本法人「ラサールインベストメントマネジメント」(東京)。町は特別会計で買収、造成した予定地を転売する方式で協議を進めていた。

 その後、仙台港背後地(仙台市宮城野区)にモールを含めた大型商業施設の立地が見込まれることが判明。ラサール社は2006年11月、背後地の動向を見極めたいなどとして、協議の先送りを町に伝えていた。

 実際、背後地には進出を希望する4事業者のうち3事業者が、モールの出店を提案。さらに泉パークタウン(泉区)にもモールの出店計画が表面化した。

 町によると、ラサール社から正式な回答はないというが、「客観情勢を考えると、モールの誘致は厳しい」との町独自の判断で、今回の議案提出に至ったという。

 町は05年にも、特別会計で17億円を起債して買収、造成した予定地を清水建設(東京)などに貸す方式でモール誘致を表明。しかし、県が起債に難色を示した上、住民の反対運動もあって断念した。

 再浮上した誘致計画も当初、事業費を起債で賄う予定だったため、財政悪化を懸念する住民の反対運動が再燃。町は起債以外で支援する方針に軌道修正していた。

2007年03月07日水曜日

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