IT大手のヤフーは、ネット通販事業を一気に強化するため、国内最大級のファッション通販サイトを運営するZOZOを買収することを正式に発表しました。ZOZOの創業者の前澤友作氏はこれにあわせ、12日付けで社長を退任しました。
ヤフーとZOZOはさきほどから記者会見を開いています。
この中でヤフーの川邊健太郎社長は「ZOZOをグループ企業に迎えて一緒になってインターネットの未来を作っていきたい」と買収に臨む意気込みを述べました。
また川邊社長は、「ソフトバンクグループの総力をあげてZOZOに顧客を誘導していく。ZOZOTOWNを知らない顧客もたくさんいるので、購入者数を『爆増』させる。ZOZOにはコアな利用者もおり、相互の送客も可能だ」と述べました。
発表によりますと、携帯大手、ソフトバンクの子会社のヤフーはZOZOの株式の50%余りを取得して買収することを目指し、10月上旬にもTOB=株式の公開買い付けを行うということです。ヤフーが投じる資金は4000億円にのぼる見込みです。
ZOZOはTOBに同意していて、創業者で、およそ35%の株式を持つ前澤氏は30%程度の株式を売却するということです。
また前澤氏は12日付けで社長を退任しました。
ヤフーとZOZOは今回の買収により互いのサービスの顧客を一気に増やしたい考えです。
【ZOZO前澤氏「大変うれしく思う」】12日付けで社長を退任したZOZOの創業者の前澤友作氏は記者会見でヤフーがZOZOを買収することについて「大変うれしく思うと同時にヤフー、ならびにZOZOの成長と発展を心から願っています」と述べました。
退任した理由について「2023年に月への渡航を計画している。どうしても宇宙に行きたくてその準備やトレーニングに時間を割くことが多くなるため辞任させていただくことになりました」と述べました。
そのうえで、前澤氏は今後について「21年前に事業を立ち上げたときの感動をもう一度、ということでもう一度ゼロから事業をつくって挑戦したいという思いもある」と述べて、将来的に再び起業したい考えを示しました。
そして「21年間、社長を務めてきたけれども、最後の最後で、1番大きな決断をできたことを大変うれしく思う。21年間、夢のような時間を過ごさせてもらった」と述べました。