ユニクロに立ちはだかるビジネスモデルの矛盾

独り勝ちと賞賛されたユニクロも、春先に注力したジーンズが不調に終わり、また軽くて薄いダウンジャケットが話題になったものの、12月の既存店売上げが前年比84.5%と失速気味です。
その不調ぶりは、このブログでも取り上げてきましたが、どうも失速の原因は、インナーからアウターへ、実用衣料からファッション衣料へ比重を移した政策にあったのではないかと感じます。ユニクロが成功してきたビジネス・モデルとは本質的に矛盾するからです。
ユニクロは、計画的で大量の発注を行うことで、コスト優位を実現し、低価格でありながら品質は高く、それが高収益なビジネスにつながってきたのですが、製造業の規模の経済をベースにしたビジネス・モデルです。
インナーを中心とした実用衣料なら、それが通じたのでしょう。しかし、アウター衣料の場合は、消費者の人たちの好みに左右され、それぞれのアイテムに個性が求めらてきます。もしひとつひとつのアイテムのロットが大きすぎると、画一的になってしまい、没個性となり、売り場に同じようなものが並んでしまい、選ぶ楽しさを失ってしまいます。
アウターの衣料を中心としたアパレル業界の生命線は、クイックリスポンスです。なにが売れるかの予測がつかないために、売れ筋商品、あるいは売れ筋のトレンドにあった商品をいかに素早く補充していくかが勝負です。つまりスピードの経済です。
規模の経済で成功したユニクロが、スピードの経済の世界に踏み込んだとたんに失速したということではないでしょうか。
土俵を踏み外した結果だということでしょう。ファッション・マーケティングの専門家である小島健輔氏のブログに書かれていることと一致しています。

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