仙台市太白区のコミュニティーFM局「エフエムたいはく」(78.9メガヘルツ)で、番組の進行役を務めるパーソナリティーたちが、ボランティアで本社内ラウンジのリニューアルに取り組んでいる。壁の塗り替えに加えてイベントも企画し、地域住民が気軽に立ち寄れる場に生まれ変わらせようという試みだ。
広さ約30平方メートルのラウンジは、同社が入居する太白区長町3丁目の2階建てビルの1階にある。ガラス窓越しにスタジオの様子が見え、これまでも誰でも入れるようにしてあったが、パーソナリティーらが打ち合わせに利用する程度だった。
リニューアルは、ラウンジをもっと地域に開かれた空間にしようと、ボランティアでパーソナリティーを務める里見千穂さん(40)=宮城県松島町=が1年ほど前に発案した。
パーソナリティー仲間のほか、「東北の日常を面白く」を合言葉に仙台などで活動する集団「つれづれ団」の建築家やNPO職員ら約10人が中心となって進めている。
部屋の雰囲気を明るくするため昨年7月、メンバーたちは青色の壁を白く塗り替えた。局入り口のガラスを全面覆っていたポスター類もはがし、外から中を見えやすく変えた。
ソフト面でも新たな取り組みを図る。地域住民の絵画展を昨年12月に開いたのをはじめ、ことし1月下旬には同局で番組を持っている宮城県蔵王町のハーブ農家平間徹也さん(32)が「一日サッカー漫画カフェ」を開催した。
「人と情報が集まる『長町のアンテナショップ』を目指す」と里見さんは意気込む。そんなパーソナリティーたちを、野田紀子社長(64)は「資金や人手の問題でラウンジを変えられずにいたが、いろいろな人が関わり雰囲気が明るくなった」と温かく見守る。
ラウンジのイベントなどへの利用は今は関係者に限定しているが、一般への貸し出しも今後検討するという。連絡先はfm789project@gmail.com