岩手・宮城内陸地震、東日本大震災で源泉が枯渇した宮城県栗原市花山の湯浜温泉三浦旅館の新源泉について、県栗原保健所は25日までに利用を許可した。内陸地震から約4年、秘湯ファンに愛されてきたランプの宿が、震災前を大きく上回る湯量を得て完全復活を遂げた。
許可は21日付で、新源泉は「湯浜1号」と命名。単純硫黄泉で温度は97度、湯量は毎分約50リットルと温度、湯量とも十分だ。内湯に掛け流しで利用する。4代目主人三浦治さん(58)によると、まろやかで湯冷めしにくく、体の芯から温まるという。
ことし6月に湯が湧き出たが、掘削口径の解釈をめぐり、県が工事完了届を不受理。旅館側は数値を修正して8月に掘削許可を再申請した。県は復興支援の観点から迅速な審査手続きに努めた。
三浦さんは「紅葉シーズンに間に合いホッとしている。お客さまにはお待たせしたが、素晴らしい湯が注いでいる。ぜひ山の恵みを味わいに来てほしい」と喜んだ。
今シーズンは国道398号が冬期閉鎖される11月下旬まで、謝恩価格の1泊2食8000円で営業する。日帰り入浴も可。