ラーメン好きの研究者が大発見です。
日本原子力研究開発機構の関根由莉奈研究員らは重曹の水溶液に漬け込んだ豚骨が放射性物質のストロンチウムや重金属のカドミウムや鉛を大量に吸着することを発見しました。
関根研究員によりますと、今回、発見された加工法で豚骨が高炭酸含有アパタイトという状態に変化します。加工後の豚骨はヘチマのたわしのような構造になっていて、そこに放射性物質などが取り込まれるということです。
ストロンチウムの吸着率は天然ゼオライト吸着剤の20倍に達することが確認されました。
福島第一原発などの汚染水の浄化や重金属で汚染された土壌に埋め込むことで地下水など環境中に汚染物質が拡がるのを防ぐことが期待されるとしています。
これまで豚骨や牛骨が有害な金属を吸着する能力があることは分かっていましたが、実用化には至っていませんでした。
食品業界では世界で1年間75億トンの廃棄骨が発生していて、関根研究員によりますと、日本のラーメン店では1店舗あたり、豚骨の処理に年間50万円から100万円をかけているそうです。
今回、発見された方法で再利用が可能になれば廃棄物の有効活用の方法としても期待されています。
豚骨は良くゆでて脂やコラーゲンが抜けきったものが良いということです。
関根研究員は「ラーメンと餃子が好きで、多い時は週に3日は食べる。近所のなじみのラーメン店から実際に使った豚骨のガラをもらってきて実験をしていた」と話しています。 セシウムなど他の放射性物質を吸着する方法の研究も進めています。