宮城県は7日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を県庁で開き、11日が期限の「リバウンド(感染再拡大)防止徹底期間」を8月末まで延長することを決めた。県内外でリバウンドの火種がくすぶり、現行の感染対策を続ける必要があると判断した。経済対策では飲食店の需要喚起策の開始時期を先送りする一方、感染者が少ない宿泊業界への支援策を7月中旬以降に始める方針。
県は23日に開幕する東京五輪や夏季休暇の人出増加、首都圏で猛威を振るう変異株を警戒。県内の感染者数が2桁台で推移する微増傾向も考慮した。
同期間の延長に伴い、県民に対して県外との不要不急の移動や飲食を伴う行事などの自粛要請を継続。イベント会場の人数制限に関しては、5000人か収容率50%の大きい方に据え置く。
県は感染対策を講じる飲食店の認証制度に関し、7月中旬に予定していた認証店で利用可能な食事券の発行を見送る。今年3月前後の東日本大震災から10年の節目で増えた人の流れ、飲食店の政府支援策「Go To イート」の2月再開で感染が急拡大した教訓を踏まえた。
県によると、感染対策を徹底する飲食店の認証制度の申請数は今月6日時点で998件で、うち認証済みは538店。県は現地調査や助言を行う人員体制を強化し、認証手続きを加速させる。
一方、県民限定の宿泊割引キャンペーンは早期の開始に向けて準備を急ぐ。県は宿泊施設ではクラスター(感染者集団)事例がほぼ発生しておらず、同様の事業が他県でも展開されている現状を理由に挙げた。
会議後、村井嘉浩知事は「県内の感染者数は安定しているが、油断できない」と強調。「県民は(同期間を)緊急事態宣言と同じくらいのものと受け止めてほしい」と呼び掛けた。