リンク建設「羽生選手の思い」 CFでの資金調達、議員が提案 仙台市議会一般質問

「羽生選手の思いをかなえて差し上げたい」。21日の仙台市議会2月定例会一般質問で、ベテラン議員がこう切り出した。北京冬季五輪フィギュアスケート男子で大技クワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に挑み、初認定された市出身の羽生結弦選手(27)=ANA、東北高出=の思いに応え、公設のアイスアリーナを整備すべきだと訴えた。

 佐藤正昭氏(せんだい自民党)が質問した。アイスアリーナは音楽ホール整備と同様に「長年の懸案」と指摘し、スケートリンクを核としたまちづくりに取り組む他都市の例を紹介。ふるさと納税やクラウドファンディング(CF)の活用による建設資金の調達を提案した。

 建設候補地に西公園(青葉区)の市民プール跡や市地下鉄東西線荒井駅(若林区)周辺を挙げ「世界中から20億、30億円の資金は集められる。資金と用地にめどが立つのだから、もはや整備をちゅうちょすべきではない」と力を込めた。

 羽生選手は2018年、市中心部をパレード後の記者会見で「仙台でまたスケートをしたい」と地元への思いを語る一方、県内の通年リンクがアイスリンク仙台(泉区)しかないことを念頭に「施設が整わなければいけないという現実も感じた」とこぼしている。

 郡和子市長は答弁で「まずは羽生選手の思いを確認する必要がある」と慎重姿勢を崩さず、菊田敦文化観光局長も「財政負担や影響の調査、関係者との意見交換も必要だ」と説明した。

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