プラスチックごみの削減策として導入するプラ製レジ袋の有料化について、政府は来年7月から有料化を義務付ける方針を固めた。これまで制度を開始する時期を「早ければ4月から」と説明していたが、業界団体などから準備が間に合わないといった意見が相次いだことに配慮し、開始時期を遅らせる。
政府関係者への取材で判明した。11月上旬に開かれる有識者会議で経済産業省と環境省が制度案を示す。有識者の意見や国民からの意見公募を経て、年内にも容器包装リサイクル法の省令を改正する。
有料化すると、スーパーやコンビニエンスストアなど小売業者への影響が大きいことから、制度を議論するため9月に設置された有識者会議は、業界団体へのヒアリングを実施。業界からは、消費者への周知や、有料化に対応したレジ袋を発注するなどの準備には、省令改正から半年はかかるとして、来年4月の義務化の開始に難色を示す意見が相次いだ。
政府関係者によると、4月スタートでは業界の体制が整わず混乱が生じる恐れもあることから、海外から多くの観光客らが訪れる東京五輪・パラリンピックの開催に間に合う7月からの実施を目指すことにした。
政府が有識者会議に示した骨子案によると、購入商品を持ち運ぶために使うプラスチック製の袋を原則対象とし、小売業者に有料化を義務付ける。ただ、厚みがあり耐久性の高いものや、生鮮食品を入れるロール状のポリ袋、環境負荷の少ない代替素材製品などは対象外としている。【鈴木理之】