「お湯が沸く」までというのは、お茶、コーヒー、カップラーメンなどが好きな人にはとても待ち遠しい時間であろう。とくに、寒い季節は暖かいお湯の有り難味が身にしみる。例えば朝、寒くて縮こまった手に熱いコーヒーカップを持つとたちまち生き返ったような気分になる。
ところで、お湯を沸かすのになくてはならない道具といえば「やかん」であるが、年配の方には昔懐かしい、若い人たちには新鮮なデザインに感じるようなレトロなデザインの電気ケトルがあるので紹介しよう。
その商品名は『電気やかん』(ドリテック製)。あまりにシンプルな名前の通り、昔ながらの「やかん」の形をそのままに、一昔前ならどこにでもあったような何の変哲もない製品。それが、水を入れてスイッチを押すと、電気でお湯が沸くケトルになっているのだ。コーヒー一杯(140ml)で約1分45秒、1リットルで約7分30秒で沸く。お湯が沸くと自動的に電源が切れ、ライトが消灯するようになっている。
どうしてあえて昔ながらのやかんの形にしたのか。ドリテックさんに聞いてみた。
「新しい電気ケトルを開発するにあたって使いやすい形状を追求した結果、昔ながらの“やかん”という原点に帰ったデザインに辿り着きました」
ほほぉ~、昔の人が考え出したやかんって、今でも合理的な製品として通用するわけ。やっぱりご先祖様は偉大です。
具体的にはどこが合理的で使いやすいのか。
「従来の電気ケトルはハンドルが本体の横についていますが、『電気やかん』は(通常のやかん同様)上部に持ち手があり、このため重心が安定しお湯が注ぎやすくなっています。注ぎ口も湯切れがよく、従来の電気ケトルになじみのない人でも使いやすく、また、本体はステンレス製でプラスチック製品に抵抗がある方にもおすすめできます」
なるほど、持ち手の位置と注ぎ口がポイントということか。
食卓にちょこんと置いておいて、スイッチを入れると簡単にお湯が沸いている。確かに便利である。しかも、空焚き防止機能が付いているので、電気の消し忘れによる事故の心配が少ない。レトロな外観のわりにはなかなか優秀なやかんだ。
お湯をテーブルの上で手軽に沸かしたい人、意外に多いかも。筆者もそうしたい一人である。
(羽石竜示)