レンタルバイク、東北“快走” 手ごろな価格、大型車人気

 オートバイを時間貸しする「レンタルバイク」が、東北でも浸透しつつある。車両を所有しても積雪時には使用できないといった地域事情に加え、思い立った時に気軽に乗れる便利さが受けているためだ。お気に入りの車種を購入前に試乗する利用者もいるといい、店側では販売面での相乗効果も期待している。
 早坂サイクル商会(仙台市)はレンタルバイクの店舗を仙台市に2店舗、山形市に1店舗構える。最近の利用状況はサービスを始めた2009年度に比べ、約2倍に伸びた。米国製「ハーレーダビッドソン」などの大型車に人気が集まっているという。
 早坂武社長は「親子や夫婦でのツーリングや久しぶりに乗車する中年層まで、利用客は幅広い。県外から来て東北の夏祭りを巡るお客さまもいる」と説明する。
 買い取り販売のバイク王ダイレクトSHOP仙台店(泉区)は、10年秋にレンタルを始めた。横山広太郎店長は「かつては月に1、2件だったのが、今は毎日1、2件のペース」と人気ぶりを表現する。このお盆期間には、保有する7台が出払う状況が続いたという。
 全国101店を展開するキズキレンタルサービス(埼玉県)によると、ことし1~8月中旬の利用実績は約2万件で、うち東北は約800件。同社広報部は「降雪のある東北では、オートバイに乗れるのは半年程度。使いたい時にレンタルするスタイルが着実に浸透している」と指摘する。
 料金(24時間、保険付き)の相場は400ccクラスが1万5000円前後、大型車は2万円程度から。手ごろな価格設定も人気の理由とみられる。
 最近は中高年ライダーが増え、全国のオートバイの販売情勢は上向き傾向にある。
 早坂社長は「レンタルで乗り心地を確かめ、購入につながるケースもある。サービスの普及で、バイク人口の裾野拡大につなげたい」と話す。

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