東北電力の完全子会社、東北インテリジェント通信(仙台市)は4日、限られたエリアで高速大容量の第5世代(5G)移動通信システムを展開する「ローカル5G」の無線局の免許を取得した。南相馬市の福島ロボットテストフィールドに県内初となるローカル5G無線局を開設し、3月1日から利用機会の創出に向けた実証試験を始める。
ロボットテストフィールドでは産学官の20法人がロボットやドローンなどの研究に取り組んでいる。同社は敷地内のインフラ点検・災害対応エリアと開発基盤エリアにローカル5Gアンテナを計3基設置する。超高速通信が可能で遅延の少ない5Gが使える環境を整え、法人に利用してもらう。
実証試験では、作業ロボットの遠隔操作や人工知能(AI)を搭載したカメラによるリアルタイム監視、高精細の4Kカメラからの映像転送などでの活用を見込んでいる。通信環境の設計など技術面も検証する。
5Gは携帯電話大手が都市部を中心に基地局の建設を進めている。ローカル5Gはサービスの提供が遅れているエリアでも、地域の自治体や企業などが建物内や敷地内でスポット的に構築できる特徴がある。
無線局の免許は全国にある総務省の総合通信局が付与している。東北地方では同社が3例目となった。