憧れの人とのキスは、夢見るようなひとときをもたらしてくれます。愛されていることを実感したり、自分の思いをキスという行為で表現したり……。
でも人はなぜキスをするのでしょう? そう言われてみれば、キスは住んでいる国や年齢によって異なるわけではなく、世界共通で人が行う行為と言えます。そんな人々がキスする本当の目的には、驚きの事実がありました。
■人がキスする本当の目的は明らかになっていない
キスは人間同士の愛情表現として知られていますが、なぜこれほど世界中で広く行われているか、本当のところはわかっていません。この解明のきっかけとして、イギリスのオックスフォード大学の研究者たちがオンラインで900人の成人を対象に、キスが人との関係性にどういう影響をもたらすか調査を行いました。
彼らが立てたキスする目的の3つの仮説は次の通りです。1つ目は、遺伝的なクオリティをキスが何らかの形で見極め、自分のパートナーとしてふさわしいか判断するのに役立つという説。
2つ目は、例えばセックスなどの行為を覚醒させる目的であるという説。3つ目は、人との関係性を持続させるのに利用されるという説です。
■キスの匂いや感触でパートナーをチェックしてる!?
調査の結果、女性は男性よりもキスが人との関係のために重要であると考えており、特にお互いに惹かれあっている男女にとっては、キスが重要であるとみなしていることがわかりました。
哺乳類は全般に、メスの方がオスに比べて妊娠、授乳など子どもを育てることに多くの時間を費やすため、自分の一生の相手としてふさわしいか、パートナー選びは慎重になる傾向があります。そんな自分の将来の相手に値するか、キスしたときの匂いや感触などを通して、その判断をするのを助けているのではないかと研究結果より考えられるわけです。
ただし研究者は「人間のパートナー選びはとても複雑で、その人ともっと深い関係になりたいかどうか考える、さまざまな一連の流れがあり、その一部にキスがある」と述べています。
ロマンティックなキスシーンのはずなのに、相手が自分の子孫を残すのに適しているかチェックしているだなんて、ちょっとビックリ。このことは相手には黙っておいたほうがいいかもしれませんね。