宮城県石巻市の牡鹿半島で、ワカメの収穫が最盛期を迎えている。地元産は東日本大震災後で一番の高値を付け、浜は活気づいている。
南西部の西出当(なりあて)浜では、漁船18隻が朝5時ごろから港を出る。6日朝、水産加工業佐々木清孝さん(58)は網地島沖で養殖用のロープを引き揚げた。船上は長さ3メートルに育った茶褐色のワカメで埋まり、約4トンを鎌で刈り取った。
岸壁には湯通し用の設備がずらりと並び、熱で緑色になったワカメが塩蔵処理される。手伝いの女性たちは人気食材となったメカブを手際よく切り取った。
宮城県漁協表浜支所によると、今年の地元産は市場の品薄傾向などを背景に高値が続く。入札会では昨年より10キロ当たり約5000円高い1万4000円台で業者に買い取られている。
佐々木さんは「作業する人の賃金も上げられる。ワカメ養殖が早く産業として根付き、浜の復興につながってほしい」と期待する。