国立国際医療研究センターは15日、新型コロナウイルスワクチンの接種後に起きる副反応の強さと、ワクチンによって体内で作られる中和抗体の量には、ほとんど関係がなかったとする研究成果を発表した。接種後の副反応には個人差があるが、腕の痛みや発熱などがなくても、ワクチンの効果について不安に思う必要はないという。 【写真】ワクチン副反応、2回目のほうが多い
同センターは、米ファイザー社製のワクチンの接種を受けた熊本総合病院(熊本県八代市)の医療従事者約220人について、接種後に定期的に採血して分析。ウイルスの細胞への感染を防ぐ中和抗体の量を調べた。
その結果、体内の中和抗体の量は、接種後の腕の痛みの強さとは関係がなく、発熱したかどうかとの関係もほとんどみられなかった。一方、女性の方が男性よりも中和抗体の量が多い傾向があった。
同センター研究所の満屋裕明所長によると、中和抗体の量は、2回目接種後7日の時点が最も高く、30日の時点では平均42%減少していたという。
満屋所長は「抗体がどの程度持続するかなどについて、さらに調べる必要がある」としている。