仙台市は12日、65歳以上の高齢者を対象に、新型コロナウイルスワクチンの集団接種を始めた。市民センターなど22カ所を会場に予定し、土日祝日のみ実施する。JR仙台駅前で行っている大規模集団接種、400カ所以上の医療機関による個別接種と合わせ、ワクチン接種の加速化に向けた態勢がようやく整った。
集団接種会場の一つ、宮城野区中央市民センターの体育館には、パーティションで仕切った問診室と接種室が2部屋ずつ設けられ、医師、看護師、薬剤師の計12人が対応した。15分ごとに最大10人ずつを受け入れ、初日は約140人が訪れたという。
近くに住む主婦伊藤芳枝さん(66)は「かかりつけ医は予約ができず、大規模接種会場は足が悪くて行けないため、この日を待っていた。ワクチンの副反応よりもコロナ感染で迷惑を掛ける方が怖い。早く接種を受けたかった」と語った。
郡和子市長が視察に訪れ、医師から副反応の状況などを聞いた。視察後、報道陣に「会場は人が密にならずスムーズに流れていた。ようやくこれで3種類の接種態勢が整い、加速するだろう」と期待を寄せた。
市によると、初日は未開設のゼビオアリーナ仙台(太白区)を除く21カ所に1359人の予約があった。市のコールセンターか予約サイトで申し込む。接種時間は土曜が午後3時~6時15分、日曜祝日が午前9時15分~午後0時45分と午後2~5時。ワクチンは当面、米ファイザー製を使う。