【カイロ=久門武史】イスラエルで、米製薬大手ファイザーとドイツのビオンテックが開発した新型コロナウイルスのワクチンを2回接種した人のうち、その後の検査で陽性と判定されたのは0.01%にとどまっていることがわかった。イスラエルの非営利の保険組織「健康維持機構」(HMO)大手、マカビが25日、速報データを公表した。
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イスラエルのメディアが報じたマカビのデータによると、このワクチンを2回接種した12万8600人のうち、2回目の接種から1週間以上たった後の検査で陽性と判明した人は20人にとどまった。陽性とされた人はいずれも入院が必要な症状を示していない。
マカビはあくまで初期データにすぎないと指摘している。ファイザーはワクチンの予防効果を95%と説明していた。
イスラエルは世界最速のペースでワクチン接種を進めている。ファイザー側から十分な量のワクチンを確保するかわりに、接種状況を巡るデータを提供することで合意済みだ。
国民皆保険のイスラエルでは、HMOが医療サービスを提供する。HMOが個人の医療記録をIT(情報技術)を活用して蓄積する「デジタルヘルス」と呼ばれる制度を構築しており、ワクチン接種でも速やかなデータ集計が可能になったもようだ。