福島県国見町や宮城県亘理町の官民連携事業を担った備蓄食品製造ワンテーブル(多賀城市)の島田昌幸社長が、総務省の地域力創造アドバイザー登録から削除されていたことが26日、同省への取材で分かった。
島田氏が自治体と関係を構築する際に「『ワンテーブルの島田』ではなく『総務省の島田先生』になるのがミソ」などと発言したことを伝えた河北新報の報道を受けての対応という。
総務省によると、3月末に報道の事実関係を島田氏に問い合わせたところ、自身の発言と認め「アドバイザーを退く」との申し出があった。同省は「発言は制度の信頼を損なうもので遺憾だ」と抗議し、登録名簿から島田氏を削除した。
地域力創造アドバイザーは総務省が2009年度に始めた事業で、都道府県や各省庁から推薦された人材を名簿登録している。地域活性化などの助言を受けたい自治体が指名すると、派遣費用を国が負担する。島田氏は10年度、国土交通省の推薦で登録された。任期の定めはない。
河北新報が入手した録音データで島田氏は社外の関係者に対し、関与した自治体に2年程度の「仕込み」をして提案事業を具体化させるとし「予算化の時に(総務省派遣の)島田先生はワンテーブルの島田になる」と語っていた。島田氏は報道を受け、3月23日にワンテーブルの代表取締役社長を退く意向を示した。