ワークマン、一般客特化の“ファン付きウェア”続々投入 特徴は?

ワークマンが、夏の看板製品である「ファン付きウェア」シリーズに4アイテムを追加し、販売数量を2021年の70万点(ファンやバッテリーの別売品を含む)から117万点に拡大し展開している。

 これまで同社が展開していたファン付きウェアは、建設現場の作業員などに向けた商品が多かったが、今期はアウトドアや日常使いが可能な製品を中心に投入。また、独自素材を使用し、機能も大幅に向上させた。

 3500円(ファン・バッテリー別)で展開している「WindCore REPAIR-TECH 2WAYシャツジャケット」は、「風を着て、街に出る」をテーマとし、着用シーンに合わせてファンの穴を隠せる仕様とした。オーバーサイズのデザインを採用し、日常使いを可能としたほか、5のポケットを付け、袖はロールアップ可能にするなど機能性も持たせた。

 「WindCore REPAIR-TECH 2WAYハーフジャケット」 (3500円、ファン・バッテリー別)は、キャンプとアウトドアに特化した商品。キャンプブロガーとして活動するサリーさんが提案したアウトドア風なデザインが特徴で、カラーは、フィールドイエロー、オレンジ、ブラウン、チャコールの4色を展開している。

 また、5月末にはファン付きパンツの「WindCore REPAIR-TECH 2WAYシェフパンツ」(2900円、ファン・バッテリーは別)も投入。トレンドであるゆったりとしたシルエットを採用し、「#街映えのファン付きパンツ」として訴求している。後ろ側に通気口ポケットを配置し、上着の裾を通気口に被せることで、涼しい風を上着へも流れるように工夫した。

 「ファン付きウェア」はもともとプロ向けの製品として展開を開始。地球温暖化による過酷な猛暑の熱中症対策として、大手建設会社などから本格導入が始まったという。ここ数年は一般客にも普及し、買い替え需要が新規需要を上回った地域もあった。

 今期同社が力を入れている、一般客向けのアウトドア/アーバン市場は「拡大期に入ったばかり」(同社)といい、スポーツメーカーなども参入しているものの、機能性ウェアで認知度の高い同社が優位を占めていると自信を見せる。

 また、新たに発売したアイテムには、生地の針穴を自動で修復する機能を備えた独自素材の「EPAIR-TECH」を採用。ファンで取り込んだ空気を外に漏らしにくくした。さらにはっ水機能も付け、アウトドア時に着用しても汚れにくといった点も魅力だという。

●空調服は「マッキントッシュ フィロソフィー」とコラボ

 従来作業服として広まった「ファン付きウェア」の市場を拡大させようと、各社が新しい試みを始めている。

 業務用ファン付きウェア大手の空調服(東京都板橋区)は、ファッション性に特化した自社ブランドのAIRGEARにて、新作モデル3型を順次発売。また、英国の老舗ブランドである「マッキントッシュ」のセカンドライン、「MACKINTOSH PHILOSOPHY(マッキントッシュ フィロソフィー)」と協業したアイテム2商品を全国の百貨店などで展開している。

 最速の梅雨明けとなる見込みの今年、暑い夏を快適に過ごすアイテムとしてさらなる市場の拡大を果たせるか。

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