仙台市中心部を管轄する仙台中央署が4月から5月20日までの間に摘発した自転車の交通違反件数は53件(速報値)に上り、前年度1年間の件数を上回る異例のペースとなっている。地域住民の要望を受けた取り締まり強化の結果で、署は「自転車の利用者は緊張感を高めて運転してほしい」と呼びかける。
53件の内訳は一時不停止26件、信号無視22件など。ブレーキの整備不良や携帯電話使用での摘発もあった。署が前年度1年間に摘発した自転車の違反件数は38件にとどまる中、5月だけで同数に上った。
新年度に入って自転車利用者が増えると同時に、ルール・マナー違反のケースも増加傾向にある。4月以降、住民から「危険な走行で高齢者がけがをしそうになった」などと署に寄せられた取り締まり強化の要望は10件超、中には嘆願書を持参した町内会もあった。
署はパトロールと取り締まり強化に向け、署員3、4人の警戒班を拡充。自転車の通行量が多い時間帯を中心に、数班が徒歩で管内の交差点や踏切などを巡回する。署の三浦清也交通課長は「自転車の違反取り締まりに本腰を入れている。利用者は交通ルールを改めて確認し安全運転をお願いしたい」と強調する。
17日には通勤時間帯に合わせ、署員や市職員ら約30人が青葉区上杉1丁目の市道で自転車の安全利用を訴えた。参加者は「交通ルールを守ろう」と書かれたのぼりやボードを掲げ、自転車利用者らに安全運転を呼びかけた。