一目でバレる、成果出せない人の「書き方」特徴6選 低評価の原因!意外とやりがち、文章構造の矛盾

「数字に弱く、論理的に考えられない」

「何が言いたいのかわからないと言われてしまう」

「魅力的なプレゼンができない」

これらすべての悩みを解決し、2万人の「どんな時でも成果を出せるビジネスパーソン」を育てた実績を持つビジネス数学の第一人者、深沢真太郎氏が、生産性・評価・信頼のすべてを最短距離で爆増させる技術を徹底的に解説した、深沢氏の集大成とも言える書籍、『「数学的」な仕事術大全』を上梓した。

今回は「文章の書き方」を取り上げ、信頼される文章を書くコツを解説する。

仕事ができない人は「書き方」で9割バレている

唐突ですが、まずは何も考えずに次の文章を読んでみてください。

食材Aを8個購入予定でスーパーZに行きました。Z店ではAを1個100円で売っていますが、……

SafeFrame Container

これは、ある数学講師が作成した問題の冒頭部分です。作成者には申し訳ないのですが、これは「悪い文章」の典型例です。

何が良くないのか、おわかりいただけるでしょうか。この文章の前半では「食材A」と表現したものを、後半では「A」と表現しています。前半の文章でAが食材であることはわかっているはずですから、後半の文章で「A」と表現することに違和感はありません。

しかし、同じように考えるならば前半の文章で表現した「スーパーZ」は、後半の文章では「Z」と表現されていなければなりません。しかしながらこの数学講師は「Z店」と表現しています。

つまり「食材」と「スーパー」の表現方法に関して、構造的な矛盾が生じています。換言すれば、この人物は構造を気にして文章を書いていないのです。あなたはこの事例をどのように解釈なさるでしょうか。

「そんな重箱の隅をつつくようなことを……」と感じる方も多いでしょう。しかし、このような大したことないようなことで、全部わかってしまうと私は考えています。人の頭の中は、その人物の書いた文章の細部に表現されてしまう。それが私の主張です。

社会人教育の専門家として、「ビジネス数学」をテーマに研修を行うことが多々あります。その一環で研修後にレポートを提出いただくことがあるのですが、「仕事ができる人」と「できない人」で、レポートの”書き方”に驚くほど違いが現れるのです。

レポートを読んだだけで、書き手が高い成果を出しているかどうかがはっきりとわかります。これまでの経験上、90%は当てることができるでしょう。

では、私はどこを見てそれを判断しているかというと、書かれている内容そのものではなく、先ほどの事例でご紹介したような「構造」なのです。

「塊」と「関係性」で構造をつくる

構造化されていない文章には次のような特徴があります。

①大見出し、小見出しなどがない
②内容が要素分解されていない
③その要素の順序が論理的でない
④改行がされていない
⑤段落ごとに行を空けるといった配慮がない
⑥表現のルールに統一性がない

あなたも仕事でメールを読む際に似たような感覚を持ったことがあるかもしれません。おそらくそのメールを読みにくいと感じたはずですが、その「読みにくい」には明確な理由が存在します。繰り返しですが、構造化されていないのです。

構造化されていない文章を書いてしまう理由は、構造化する思考に慣れていないからです。この記事の中だけで構造化する思考を論じることは不可能ですが、絶対に外せないポイントだけお伝えすると2点あります。

・いくつの塊(要素)があるのかを明らかにする
・それらの塊がどんな関係で繋がるのかを明らかにする

メールやレポートなどを書く際には、文章の全体はいくつかの塊(要素)で成り立っていると捉え、その関係性を明確にしてください。実は、それだけで構造化されていない文章の6つの特徴のうち、⑥以外はすべてクリアできます。

本来、構造化とはかつて私たちが学んだ数学で培われる能力です。たとえば次の数式は表面的には異なりますが、構造上は同じものです。

100X+100Y=100
X+Y=1

少しばかりトリッキーな例を挙げるなら、数学の世界では、穴の空いたドーナツとマグカップは、構造上、同じであると解釈します。この2つの事例に共通するのは、「同じ構造」という視点です。

数学の証明は、まさに言語を使って論理的に説明するお手本です。もし可能であれば、数学の教科書や参考書を開いてみてください。先ほどの6つの特徴とは真逆の表現、つまり構造化された文章がそこに綴られているはずです。

数学というものを正しく学んでいれば、物事を構造で捉える感覚は備わるはずなのです。

あなたは「書き方」で評価されている

しかしながら、数学を学んだ経験がある方の全員が、物事を構造で捉える感覚を持っているかというと、現実はそうではありません。冒頭でご紹介した事例も数学講師が書いた文章です。つまり、数学を教えることができる人物でも、その数学で培われるはずの「数学的な素養」はまったく身についていないということになります。

社会人教育の専門家として、そしてビジネスパーソンのリスキリング分野で通用する数学講師の育成をする立場として、これはとても深刻なことであると思っています。

私は研修のレポートを読むだけで、誰が高い成果を出している従業員なのかを推測することができてしまいます。そして、それはおそらくあなたの上司や顧客も同じです。

そう考えると、あなたの上司や顧客は、あなたの書いた文章からあなたを評価している可能性が高いでしょう。あなたの書いた文章が良くないものであれば、「こいつはダメだ」と思われたり、「この人と仕事をするのはやめておこう……」と判断されてしまったりするかもしれません。だからこそ、ビジネスパーソンは今すぐにでも構造化する思考法を身につけるべきなのです。

文章を書くことが苦手なビジネスパーソンが増えていると聞きます。メッセージアプリやAIの活用などにより、これからますます書く機会が少なくなることが想定されます。つまり少しばかり乱暴に言えば、これから先はみんな文章を書くことが下手になる一方だということです。

しかし、それは裏を返せば、文章力でライバルと圧倒的な差をつけることができるとも考えられます。自身の信頼や機会の損失にならないよう、今からでも構造化する思考を身につけてください。先ほど示した6つの特徴をそのままチェックリストにするだけでも効果的です。

深沢 真太郎:BMコンサルティング代表取締役、ビジネス数学教育家

タイトルとURLをコピーしました