かつて紅花交易が盛んだった宮城県村田町で、観賞用の紅花の出荷作業が最盛期を迎えている。
同町沼辺千塚地区の二瓶養作さん(58)方では、3アールの畑で約1万8000本を栽培。30日は朝から刈り取り作業を始め、オレンジ色の花の咲き具合を確かめながらはさみを入れた。
「昨年は強風の影響を受けたが、ことしは上々の出来だ」と二瓶さん。収穫した紅花は、数本ずつ束ねて町物産交流センターに出荷するほか、地域のお年寄り約100人にプレゼントする。
仙南地方では江戸時代から明治にかけて、染料の原料となる紅花が多く栽培され、村田町は集積地だった。現在は衰退し、町内の生産農家はごくわずかという。