神戸市や鉄道各社の再開発計画の検討が進む神戸の玄関口、三宮の駅前でJR西日本が温泉を掘り当てた。駅施設のリニューアル構想に合わせ、将来的な集客の目玉につなげようと今年1月に掘削を開始。地下約千メートルまで掘り進め、源泉にたどり着いた。
JR西は、2013年3月に発表した13~17年度の中期経営計画に三ノ宮駅の再開発検討を盛り込んだ。老朽化した駅ビル「三宮ターミナルビル」の建て替えを核に、神戸市と協議を進めている。
温泉の掘削は、駅南側の広場の一角で実施。13年11月、兵庫県から温泉法に基づく許可を受けて着工した。
JR西によると、8月上旬、深さ約千メートルの岩盤で温水が湧き出ているのを確認。成分や温度の分析で、温泉であることが分かった。源泉としての評価は「おおむね良好」といい、今後泉質や湧出量などを詳しく調べる。
JR西は「温泉の用途は未定だが、地域のにぎわいづくりに役立てたい」と説明。再開発計画の具体化に合わせて活用策を決める方針という。
三宮周辺は、神戸市が住民や商店主らを交えた会議などで再整備に向けた議論を進め、9月に構想を発表する予定。阪急電鉄も、神戸三宮駅の駅ビルの建て替えを検討している。(小川 晶)