三菱地所が本気をだしてきたニャ…!猫専用のタワーマンション「猫タワマン」が爆誕&実物を公開

高級分譲マンションブランドの「ザ・パークハウス」シリーズを展開している三菱地所レジデンスが6月19日、猫専用のタワーマンション制作プロジェクト「#猫タワマン CAT TOWER PROJECT」を公開しました。
タワーマンションとは一般的に20階以上で塔状の超高層マンションを表す呼称で、駅近の立地や充実した共用設備、手厚い防災&セキュリティ対策、展望の良さなどが評価され、首都圏や近畿圏にとどまらず全国的に数が増え続けています。
そんなタワマンの供給元である三菱地所レジデンスが本気で考えたという本プロジェクトは、「猫にも上質な暮らしを届けたい」という思いのもと、同社のさまざまな部署からネコ好き社員が結集して始動。アドバイザーには猫との住まいに特化した改装設計を手がける一級建築士で、猫シッターとしても活動している「いしまるあきこ」さんを迎え、設備選びから色選び、素材選びまで、猫を交えて試行錯誤を重ねたと言います。
その結果完成したのが、住みやすさや機能性、デザイン、メンテナンスのしやすさなど、細部までこだわり抜いた本気の猫タワマン。キャットタワーでもキャットケージでもない、まさに住宅のような外観で階数は4階建て。2階〜4階は内部の空洞を上り下りして自由に行き来できるようになっています。
気になる各フロアはいったいどのような造りになっているのか。順番に見ていきましょう。
■1F 猫トイレ一番下は猫トイレを収納するスペース。四方が壁に囲われているため、猫ちゃんが周りの視線を気にせず用を足せる作りになっているほか、中でリラックスしてもらえるようにクロスの色まで工夫。外側の壁は一面が大きく開いて猫トイレを取り出せるようになっているため掃除がしやすく、壁には消臭機能がある材料使ってニオイ対策をするなど、飼い主さんにも配慮した設計になっています。普段リビングや部屋に猫トイレを置いている場合は、猫タワマンの中に入れることでその分、部屋のスペースを有効活用することが可能。トイレの臭いが気にならないのでリビングに置くのにも適していそうですね。

■2F ラウンジ2Fは猫タワマンの入り口を兼ねた休憩スペース。マンションで言うところのラウンジのような空間で、手前の壁面が広めにくり抜いてあるため、猫はぴょんと飛び乗って中に入ることができます。
サイドの壁には小さめのスクエア窓があり、外の様子を眺められるようになってるほか、奥の窓には何やら緑色の物体が――。外側にせり出た部分はなんと猫草を置くためのスペース。三菱地所が手がける高級分譲マンションブランド「ザ・パークハウス」に欠かせない植栽を猫タワマンでも表現したもので、建物が無機質にならないようにバルコニーをイメージしたグリーンを配色し、窓から見えるような癒やしの空間を再現しているのだとか。窓に緑を添えるあたりは、さすがマンションデベロッパーならではの発想。市販の猫用インテリア製品ではなかなかお目にかかれない組み合わせです。
■3F 住戸そして3階がお待ちかねの住戸スペース。人間のマンションでいうとリビングと寝室を兼ねたような空間でしょうか。ここには大きめのスクエア窓と、宇宙船型のリュックを彷彿させる丸窓があり、丸窓は出窓のようにすることで外観のアクセントの役割を持たせつつ猫も楽しめるように工夫。開口部の枠や小窓の処理まで「ザ・パークハウス」をイメージしてリビングのような居心地の良さを実現しています。
窓はどちらも低い位置に取り付けられているため、猫が横たわった状態でも外を眺められる高さになっていて、スフィンクス座りで遠くを見つめる姿は、まるでマンションの窓から外を眺めているかのような光景です。その他にも壁紙には猫が映える素材を使うなど、飼い主さんの目線に立ったこだわりの仕様。
■4F スカイベッド最上階は天井のないスカイベッド。高い所があれば一番上まで登りたくなるのが猫という生き物。室内をぐるりと見渡して人間たちを監視するのが好きな猫には最適で、床にはふかふかの生地が敷いてあるため、下界のことなど気にせずにゆったりとうたた寝できそうなスポットです。猫タワマンにはこの他にも、外側の壁にバリバリと爪を研げるスクラッチウォールを設置。爪の引っかかり具合を考慮した素材感や、周辺クロスとの色のバランスにも配慮した設計になっています。

今回のプロジェクトに参加した社員によると、「なかなかわかりづらいデベロッパーの仕事を、「猫タワマン」を通して少しでも知ってもらいたい」「お客様が猫であっても、エンドユーザーのために、ものづくりにとことんこだわる姿勢は変わらないという想いを伝えたい」「作るものがミニマムになることで、より分かりやすくものづくりへのこだわりをお客様に感じてもらいたい」「商品企画部として、普段マンションで実現させている品質を猫タワマンでも実現させたいと思いました」といった感想が聞かれるなど、根底にはマンションづくりへの熱い思いが感じられます。
中には「実家で猫を飼っていて、今使用しているキャットタワーは倒れやすかったり傷つきやすいなと感じていたので、室内の雰囲気に合いつつ、耐久性にも優れた「猫タワマン」を作りたいと思った」など、猫の飼い主として感じていた課題を活かしてプロジェクトに取り組んだ社員の方も。
また、アドバイザーのいしまるあきこさんからは、以下のコメントが寄せられています。
「最初、「猫タワマン」というお題を頂いたときは「おもしろそう!」と思うと同時に「はたしてど うなるだろうか」と思いましたが、最終的には「猫タワマン」をはじめて目にした猫にも気に入っ て使いこなしてもらえて安心しました。猫は正直者ですから、気に入らなければ使ってくれませ ん。こだわったポイントは、猫と人間のバランスの取り方や実用に耐えうるようなメンテナンスの しやすさです。また、原寸大の試作を含めて、複数回の制作を自身らで行いましたが、角を丸くし たり、窓枠を設けたりして、猫にとっての細かな安全性と全体的な完成度にこだわりながらつくりました。」
今回取り上げた「猫タワマン」。猫を飼っている人であれば、キャットタワーやキャットケージの代わりに置いてみたいと思った方もいるのではないかと思いますが、商品化の予定があるかどうかは現時点では不明。しかし、ペット用品以外の業界からこのようなアイディアが生まれてくるのは、新しい視点があって見ているだけで楽しい気分になれるもの。今後も猫の暮らしをよくするプロジェクトが生まれることを期待したいですね。

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