三菱UFJ銀行は、3次元地図データ製作など空間データ事業に参入する方針を固めた。トヨタ自動車などが出資する製作大手「ダイナミックマップ基盤(DMP)」と合弁会社を設立する。3次元地図データは自動運転やドローン飛行の普及に不可欠で、三菱UFJ銀の顧客基盤を生かし、多様なビジネス展開を狙う。 【図表】ひと目でわかる…三菱UFJ銀が空間を活用する方法
近く発表する。新たに作る合弁会社「DMPアクシズ」にDMPが約95%、三菱UFJ銀が約5%をそれぞれ出資する。
DMPは全国の高速道路や一般道など約10万キロ・メートル分の3次元地図データを保有する。現在はトヨタやホンダ、日産自動車などの自動運転や運転支援技術に使われている。
合弁会社は、このデータを他のビジネスに展開させる。まずは2023年度から、豪雪で埋もれた道路を3次元地図で可視化し、安全性や効率性を高めた除雪支援システムを全国の自治体や道路管理会社に提供する。
ほかにも、ドローンを活用して災害状況を把握したい保険会社や、無人での荷物の収集・配送を検討する物流会社などのニーズを想定している。
将来的には、自動運転タクシーやドローン飛行支援への展開を目指す。地図データの製作に顧客の要望を取り入れ、車両の走行距離やルートに応じて価格を変動させるような決済機能の開発も見据える。こうした先端技術を活用する「スマートシティー」の推進にもつなげたい考えだ。