東日本大震災からの復興支援で環境省が宮城県南三陸町戸倉に整備する体験学習施設「南三陸・海のビジターセンター」の起工式が16日、現地であった。10 月1日の開業予定で、同町と石巻、登米両市にまたがって自然体験を楽しむフィールドミュージアムの拠点として、海を生かした地域活性化を目指す。
センターは木造一部2階で延べ床面積991平方メートル。研修室やシャワールーム、作業ヤードを備える。事業費は約6億円。養殖体験やシーカヤックといった体験プログラムを用意する。
起工式には約30人が出席。東北地方環境事務所の坂川勉所長はあいさつで「志津川湾を中心としたエコツーリズムを推進していく」と述べた。施設は震災前に 海洋研究や体験学習に利用され、被災した町自然環境活用センター跡地に建てる。佐藤仁町長は「全国から子どもたちが集まる場所が戻ってくる」と期待した。
フィールドミュージアムは三陸復興国立公園のプロジェクトの一環。石巻市北上には川のビジターセンターが整備され、ヨシ刈りやサケの遡上(そじょう)観察といった北上川を舞台にした体験ができる。