三陸鉄道 4月6日全線復旧 新車両を5両投入

岩手県の第三セクター、三陸鉄道は27日、東日本大震災で被災し、一部区間が不通だった南リアス線(36・6キロ)と北リアス線(71キロ)の全線運転再開日を発表した。南リアス線の吉浜-釜石間(15キロ)は4月5日で、北リアス線の田野畑-小本間(10・5キロ)が同6日。再開日には南リアス線の釜石駅前、北リアス線の宮古駅前でそれぞれ記念式典を開く。
 三陸鉄道はNHK連続テレビ小説「あまちゃん」に登場する鉄道のモデルにもなり、評判を呼んでいた。再開を機に、クウェート政府の支援を活用して新車両5両を投入。うち1両はあまちゃんの撮影で使われた「お座敷列車北三陸号」の後継とし、岩手の古民家をイメージした外観や内装で北リアス線を走る。現在の北三陸号も当面運行する。
 三陸鉄道は震災で、南北リアス線合わせて317カ所が被災。復旧に要した費用は約92億円となる見通し。同社によると、沿線市町村や自衛隊の協力で、がれき撤去の費用がほとんどかからなかった。資材費や人件費が高騰する前に復旧工事が進んだため、当初予定の約108億円を下回ったという。
 全線運転再開後の運行本数は、南リアス線の盛(さかり)-釜石間が上下各9本、北リアス線の宮古-久慈間は同11本。震災前は、JR山田線をはさんで両線直通の列車も運行されていたが、現在は山田線が不通の状態で、同社の望月正彦社長は「鉄路はネットワーク。つながってほしい。(JRには)理解と協力を求めていく」と話していた。

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