下北沖にM9級震源域か=1000年間隔で発生―「切迫度高い」・北大

北海道・根室沖から茨城県にかけての太平洋側でマグニチュード(M)9クラスの巨大地震の震源域がこれまで想定されていなかった下北―陸中沖を含め三つあるとする論文を、北海道大学の平川一臣特任教授(自然地理学)が26日までにまとめた。過去3500年間に1000年間隔で少なくとも計7回発生しており、このうち下北―陸中沖では「巨大地震が発生する切迫度が極めて大きい」としている。
 平川特任教授は15年にわたり、道東沿岸を中心に地層の堆積物から津波の痕跡を調べた。東日本大震災を受け、調査範囲を宮城県気仙沼市にまで拡大したところ、3震源域があるのが分かった。
 震源域は(1)根室沖―襟裳岬(2)下北―陸中沖(3)陸中―常磐沖。(3)では貞観地震(869年)以来とされる巨大地震だった東日本大震災が発生。(1)では1611年、(2)では12~13世紀ごろから、巨大地震は起きていないといい、特に(2)では既に800~900年が経過しているため、警戒が必要と指摘した。
 北海道から茨城県にかけての太平洋側について、政府の中央防災会議は十勝沖の500年間隔地震や宮城県沖地震の震源域を想定しているが、この間に位置する下北―陸中沖の想定はしていない。 
[時事通信社]

タイトルとURLをコピーしました