不動産投資信託「J-REIT」 物件取得10件337億円 東北・17年仙台圏の取引好調

上場不動産投資信託「J-REIT(リート)」が2017年に取得した東北の物件数は10件、総額337億2200万円に上ったことが、金融や不動産の専門家らでつくるアセットブレインズ仙台ネットワーク(仙台市)の調査で分かった。金額は過去3番目に多くなった。
東北での取得件数と総額の推移はグラフの通り。県別の内訳は宮城が8件、311億9000万円、岩手が1件、13億200万円、福島が1件、12億3000万円。個別の最高額はSS30(仙台市青葉区)の182億円で、ユナイテッドアーバン投資法人(東京)が購入した。
仙台市中心部の他の物件では、オフィスビルの仙台キャピタルタワー(青葉区)をMCUBS MidCity投資法人(東京)が55億円で取得。マンションのプロシード仙台上杉(青葉区)は、スターツプロシード投資法人(東京)が15億6000万円で買った。
物流施設の取引も目立った。産業ファンド投資法人(東京)が、IIF仙台大和ロジスティクスセンター(宮城県大和町)を14億8000万円で、IIF盛岡大和ロジスティクスセンターII(岩手県矢巾町)を13億200万円で、それぞれ取得。大和ハウスリート投資法人(東京)は、Dプロジェクト仙台泉(泉区)を15億1000万円で買い取った。
東北での取引は、東日本大震災後の復興需要などで伸びている。これまでの累計は126件、3007億2800万円。
アセットブレインズの佐々木正之事務局長は「首都圏の物件不足が地方都市への分散投資という形になり、東北でも表れている。仙台圏では10億~20億円の物件の取引は順調に推移し、それ以下の物件との二極化が進んでいる」と話した。
J-REITは東京証券取引所の上場銘柄。不動産大手や大手商社による出資で投資法人を設立し、賃料などの収益を投資家への利回りに充てる。01年9月に初上場され、17年末までの取引総額は3615件、16兆6000億円。

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