新型コロナウイルスの感染拡大により緊急事態宣言が出された中での大型連休が明けた7日、一部では学校が再開されるなど自粛の緩和が始まった。ただ、6日までだった宣言の期間が今月末まで延長されたことで休業要請や学校の休校を延長している地域も多い。「いつまで続くのか」。街頭や家庭からは不安の声が漏れる。
「売り上げずっとゼロ」
7日午前8時ごろのJR大阪駅前。例年なら連休明けの通勤客でごった返す時間帯だが、今年は少ない。休業を続ける店も多く、街は静かだ。
金融機関で管理職をしている大阪府吹田市の50代女性は2日に1度の出社。社員の多くは在宅で社内におらず、「話もできず孤独を感じる。日常が懐かしい」と苦笑い。宣言の延長でこの態勢が当面継続されるといい、「顔と顔を突き合わせる仕事が大半。このままでは何もできない」と漏らす。
宣言延長の影響が大きいのが飲食業界。大阪市北区の繁華街、北新地でバーを経営する男性(38)も休業の延長を決めた。「7日から営業再開できると期待していたが…。売り上げはずっとゼロ。いつまでこの状況が続くのか」と不安を吐露する。
大阪府は独自基準「大阪モデル」に従い、休業要請や外出自粛要請を段階的に解除する方針だが、男性は「仮に解除されても客足はすぐに戻らない。『3密』を避けるため店内を満員にもできないし、当面は厳しい状況が続きそうだ」と肩を落とした。
「子供が不安定に」
「学校の宿題を親が教えて採点することに子供の反発も出てきた。実家に勉強まで見てもらえないし、これがいつまで続くのか」
大阪府枚方市で小学4年の長女(9)と2年の次女(7)を育てる派遣社員の女性(40)はこう話す。大阪府は、政府が緊急事態宣言の期間を延長したことを受け、府立学校などの休校期間を今月31日まで延長したが、女性の不安は増している。
女性はこれまで共働きの夫の出勤後、午前8時ごろに車で出勤。昼休みに子供の様子を見に、車で30分かけて職場と往復していたが、最近は子供に留守番を任せて終日勤務をすることも。「同年代の友達と会えないのはつらいようで、気持ちが不安定になっている」と子供の様子が心配だ。
大阪市立学校に通う小学4年の長男(10)と次男(6)を育てる主婦(39)は、子供たちを市立公園にランニングに連れていくのが日課だが、「図書館は休みで行くところもないのに、公園に行くのも自粛、スーパーも子供を連れてこないで、という風潮。あかんことばっかりでストレス」と話す。1年生の次男は入学式も延期されたままで、女性は「宿題だけ出されても、子供のやる気が続かない。感染は心配だけど、長期間家の中に閉じ込めておくなんてできない」とため息をついた。
また、「正直しんどい。子育ても仕事も中途半端になってしまう」と話すのは、長女(2)の面倒を見ながら在宅勤務する神戸市の女性会社員(33)。登園自粛で保育園にも預けられず、負担がのしかかる。
子供に触れる時間は増えたが、長時間目を離すことはできない。仕事に集中できる時間は限られ、結局は長時間勤務になるといい、「効率を考えれば元の働き方に戻りたいが…。本当に月末で宣言が解除されるのか不安だ」と漏らす。