ダイハツ工業、豊田自動織機などで相次いだ認証不正問題は3日、国土交通省の指示に基づく調査の結果、日本企業を代表するトヨタ自動車、ホンダ、スズキ、マツダでも判明した。 【ひと目でわかる】出荷が停止された車種 車の安全確保の大前提となる認証制度の順守が日本の乗用車大手で徹底されていなかったことは、日本車全体のブランド力に傷を付けることになる。業界を挙げて再発を防止し、信頼回復を急ぐ必要がある。 トヨタでは、2014年以降に7車種で国が定めた基準と異なる方法で認証試験を実施していたことが判明した。豊田章男トヨタ会長は昨年以降、ダイハツなどグループ各社で続く不正の再発防止を指揮。今年1月にはグループ内のさらなる不正について「私の知る限りない」と明言していた。 今回トヨタ本体で不正が見つかり、豊田氏は3日の記者会見で「残念な気持ちと『ブルータスよ、お前もか』という感じだ」と述べた。その上で「抜本的な改善には相当時間がかかる。私自身がリードしてやっていく」と再発防止に取り組む姿勢を強調した。 ホンダは、09年2月から17年10月にかけて、騒音試験やエンジン出力試験で不備があった。発売後のモデルチェンジで車体が重くなった際の再試験を省略するため、認証時に実際より重い重量で試験するなどの手法が繰り返され、対象車両は合計で22車種、約325万台に上る。 トヨタとホンダに共通するのは、型式指定制度の要求水準より厳しい条件で試験に合格すれば問題はないと考え、試験の内容を勝手に変えてしまう姿勢だ。三部敏宏ホンダ社長は「都合のいい技術的解釈があった」と認める一方、悪質性は低いとして経営陣を含む社内処分は考えていないと説明した。 各社は今回の不正について「安全性に影響はない」と説明するが、国交省は手続きが適正に行われていなかったことを問題視する。「認証制度は外国と相互認証を取るために必要で、軽視すれば輸出に影響する可能性がある」(幹部)として、早期の是正を求めていく。 日本の乗用車大手8社では、16年に三菱自動車で燃費を良く見せる不正が判明。17年には、日産自動車で出荷前の完成検査で不正が発覚し、SUBARU(スバル)の完成検査でも不正があった。