不登校、宮城が4年連続最多 仙台市は3項目でワースト3

文部科学省が22日に公表した2019年度児童生徒問題行動・不登校調査で、東北では宮城の1000人当たりの不登校児童生徒数が4年連続で全国最多となった。いじめ認知件数は山形が全国2番目、暴力行為は青森が4番目に多かった。仙台市は3項目とも20政令市でワースト3に入った。
 東北6県と仙台市のいじめ、不登校、暴力行為の調査結果は表の通り。小中高校、特別支援学校のいじめ認知件数は6県計で5万7068件(前年度比2.7%増)。小中学校の不登校は計1万1171人(5.3%増)、小中高校の暴力行為は計5641件(8.9%増)だった。
 1000人当たりの不登校者数は宮城が2.1人増の24.0人。6県で唯一全国平均(18.8人)を上回った。宮城県教委は「東日本大震災の影響が全くないとは言えない。組織的に支援し、学びの場を学校内外で提供したい」と話した。
 東北で2番目に多い福島は1.3件増の16.4件で震災以降、増加傾向が続く。福島県教委は「直接的ではないが、東京電力福島第1原発事故の影響は少なからずある」と指摘した。
 1000人当たりのいじめ認知件数は山形が115.7件(24.0件増)、岩手が64.1件(1.9件増)で共に過去最多。山形県教委は「解消件数も増えている」、岩手県教委は「積極的認知が進んだ結果。件数よりもどう対応するかが大事」などと強調した。
 1000人当たりの暴力行為は、秋田が4.6件で前年度(2.2件)の2倍以上。秋田県教委は「小競り合いやけんかも暴力行為と捉え、深刻化しないよう対応した」と説明した。
 前年度に全国最多だった青森は2.0人減の11.6人で、全国で4番目に多かった。青森県教委は「暴力行為を繰り返す特定の児童生徒への指導が改善につながった」と分析した。
 政令市別では、仙台市のいじめ認知件数が13.4件減の170.9件。政令市平均(53.4件)の3倍以上で、3年連続で全国2番目。不登校、暴力行為は3番目に多かった。

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