与野党、処理水巡り攻防激化 刺し身会食、断食闘争も 韓国

【ソウル時事】東京電力福島第1原発の処理水海洋放出計画を巡り、韓国の政府・与党と野党の攻防が激化している。 【動画】30メートルの大津波(2011年)  健康への不安から早くも「魚離れ」が起きている現状を受け、韓悳洙首相や与党議員は会食で刺し身を食べ安全性をアピール。一方、複数の野党議員は断食闘争に乗り出し、抗議の意を訴えている。  「本来なら金曜日の夜は足の踏み場がないほどたくさん人が来なければならないということだ。心が重かった」。韓首相は、与党「国民の力」の議員らと共に水産市場を訪問し、人出が減った現状を目の当たりにした心情を25日、フェイスブックにつづった。  韓氏らは23日午後、ソウルの鷺梁津水産市場を訪れ、市場関係者の声を聞き取った。韓氏らは市場内の食堂で食事。自ら刺し身を食べる姿を見せることで、安全性に対する国民の懸念払拭に努めた。同党の尹在玉院内代表は26日の党の会議で、水産業者や刺し身店を助けるため、「水産市場と刺し身店でリレー方式の食事を続けていく」と表明した。  こうした動きに対し、複数の野党議員は断食という形で放出反対の意思を示し始めた。野党・正義党の李貞味代表は26日、ソウルの日本大使館前で断食闘争を開始。李氏は「日本の野党、市民社会と力を合わせることができれば、日本の世論を動かし、日本政府を圧迫することができる」と声を張り上げた。  最大野党「共に民主党」でも先週以降、断食闘争を始める動きが出ている。日本政府が海洋放出の時期とする「夏ごろ」が近づくにつれ、韓国政界での攻防も激しさを増しそうだ。 

タイトルとURLをコピーしました