世帯ごとの所得格差、過去最大 現役は29歳以下で顕著

 厚生労働省は1日、2008年の調査で世帯ごとの所得格差が過去最大になったと発表した。現役世代の中では29歳以下の格差が大きく、若年者雇用の不安定さが影響している可能性もある。年金給付などの社会保障や税で再分配した後の格差は、過去3回の調査と同程度になる。
 同省が3年ごとに調査を実施。0~1の間で1に近づくほど格差が大きくなる指標「ジニ係数」について、全国から抽出した4792世帯の07年時点の状況を調べた。
 08年調査のジニ係数は0.5318で、1984年以降、増え続けている。高齢化に伴い勤労収入のない世帯が増えているためだが、再分配によって0.3758まで改善。改善幅も過去最大だった。若年世代では、30~34歳の0.2799に対し、29歳以下が0.3726と格差が比較的大きい。
 実額ベースの平均所得は再分配前が年445万1千円で、再分配後が517万9千円。29歳以下では、再分配前が306万3千円、再分配後は279万3千円になる。

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