厚生労働省は、おととし行った所得格差の調査結果を発表し、公的年金などを除いた世帯間の所得の格差は、過去最大だった前回・平成26年の調査よりやや縮まったものの、依然として高い水準にあることがわかりました。
厚生労働省は、3年に1回、「所得再分配調査」と呼ばれる調査を行っていて、おととし、平成29年は、7月から8月にかけて行い、全国のおよそ4400世帯から回答を得ました。
それによりますと、公的年金などを除いた1世帯あたりの平均所得は429万2000円で、前回・平成26年の調査と比べて、36万6000円、率にして9.3%増えました。
世帯間の所得の格差を表す「ジニ係数」という指標で見てみますと、おととしは0.5594でした。ジニ係数は、格差が大きくなると「1」に近づき、「0」に近づくほど格差が小さいことを示すもので、格差が過去最大だった前回の0.5704よりも、0.011ポイント改善しました。
所得格差が縮まるのは、昭和56年以来、36年ぶりとなりますが、依然として高い水準となっています。
一方、公的年金などの社会保障給付や、税による再分配をしたあとの「ジニ係数」は0.3721で、前回よりも0.0038ポイント改善し、こちらもほぼ横ばいでした。
厚生労働省は、「おととしの時点では、雇用の改善などで所得の底上げが図られ、格差拡大に一定の歯止めがかかった。年金など所得再分配の機能に効果があることが、改めて確認できた」と話しています。