スマートフォンで読み込んで、キャッシュレス決済や電子チケットなど様々な用途に使われるQRコード。 【画像】ご注意!そのQRコード、上から張り替えられていませんか しかし、今、そんなQRコードを入り口に、お金を騙し取られる被害が、世界的に増えているといいます。「めざまし8」は詐欺に直面した人を取材、誰もが被害に遭いかねない危険性が見えてきました。
「国税庁」を名乗る不審なメール
めざまし8の取材に答えてくれたのは、埼玉県に住む40代の男性・Aさん。つい最近、「QRコード詐欺」の怖さを、身をもって体験したといいます。 「QRコード詐欺」被害に遭いそうになったAさん: (QRコード詐欺は)普通に引っかかると思います、スムーズにPayPayで支払えてしまって、多分これ、詐欺ってことに認識自体しないと思うんですよね。 きっかけは、突然、届いた1通のメール。件名を見ると、「国税電子申告」の文字が。 送り主は「国税庁」を名乗り、Aさんが「所得税を滞納している」と説明。 そして、QRコードを示し「PayPayアプリでスキャンしてお支払いをしてから完了ボタンを押して下さい」と要求しました。 金額は、4万9678円。 「QRコード詐欺」被害に遭いそうになったAさん: 送ってくる時期が絶妙というか、4月末から5月頭にかけては、固定資産税とかいろんな税金の支払い時期じゃないですか。あと、4万9678円というところで、すごく高額であればものすごく疑うと思うんですけど、ありがちな金額なので。 Aさんに所得税を滞納した覚えはなく、国税庁が注意喚起をしていたこともあり、詐欺だと気づいたといいます。 「QRコード詐欺」被害に遭いそうになったAさん: (QRコード詐欺に)遭わなかったのは、ラッキーだと思いました。
街中にあふれる「QR」身近に潜む“リスク”
世界全体でも「クイッシング詐欺」と呼ばれる、QRコードを使った詐欺が急増。米・FBIも警鐘を鳴らしています。 セキュリティー専門企業の調べによると、今年1月、世界で不正なQRコードを確認したのは800件でしたが、3月には3万1640件。 わずか2カ月で、40倍にも膨れ上がっているといいます。 サイバーセキュリティに詳しい卯城大士さんと、街にあるQRコードをチェックしてみました。 サイバーセキュリティオフィサー 卯城大士さん: 今、ほとんどお店に入らなくても店の紹介ができるように、QRコードを使っていると思います。 看板に掲載されたQRコードを読み取ると、お店の情報を見ることができます。さらに、レジ横に決済用のQRコードが置かれている店も。 サイバーセキュリティオフィサー 卯城大士さん: いろいろお店の紹介のQRコードが、チラシとかお店のQRコードがはってあるわけですけども。注意していただきたいのは、こういうQRコードの上にシールか何かでQRコードがはってある場合は、誰かが当然後から追加したということになると、非常に危ない可能性があります。
詐欺に遭わないためには?
拡大する「QRコード詐欺」のリスク。卯城大士さんによると、被害に遭わないためには、「怪しい要求に従わないこと」が最も大切な防御手段だといいます。「見覚えがないものは許可しない」を徹底することが大切です。 フジテレビ解説委員 風間晋氏: 僕らもフィッシングに関しては、それなりに長い期間注意喚起などもあって、怪しいメールの見分け方や添付書類を開かないとか、URLをクリックしないとか、なんとなくそういうのは慣れてきているのかなと思いますが、今このQRコード詐欺が激増中なわけじゃないですか?こういうときは本当に一番危ないですよね。 まだみんな分かっていなくて、手軽だからいっちゃう。今、本当に危ないタイミングだと思うので、慎重で対処したいですね。 サイバーセキュリティオフィサー 卯城大士さん: 不自然なことについては、常に敏感に私たちが気をつけていくという、注意を高めていくという“人の技術”を高めていく部分と、今はQRコードが貼り付けられた悪意のあるメールがユーザーに届くということが問題ですので、メールを処理するセキュリティーの対策として、ユーザーのメールを受信する前にQRコードのチェックをして、問題がある場合、ユーザーの元に届けないという技術も普及しています。 それから、携帯電話の方でも、QRコードを事前にスキャンをして、安全かどうかを確認するというセキュリティーも進んでくると思います。 (めざまし8 5月17日放送)