カナダの出版社「コーポレートナイツ社」が、「世界で最も持続可能な100社」を発表した。
「持続可能な100社」は、毎年ダボス会議にあわせて発表しているもの。今年は日本企業19社がランクインした。19社はアメリカの13社を上回る世界1位だ。
評価基準は、税金納付率、トップと社員の給与格差、研究開発費、情報開示、女性役員の登用など10項目。世界の3500社が対象だ。ただし、どうすれば評価があがるのか詳細は非公開だという。選ばれた19社はどこが評価されたのか。東京商工リサーチ情報本部副本部長・友田信男氏が言う。
「19社はいずれも業界のトップクラス。それぞれ強みを持っています。たとえば、日東電工は光フィルターで世界のトップシェアを誇る。ただ、なぜ日本生命や東京電力が入っていないのか分からない。10項目を評価基準にしたそうですが、20項目にしたら、ランキングは変わるはずです」
日本はなぜ持続力のある企業が多いのか。経営学者の長田貴仁氏はこう言う。
「日本は創業100年という老舗企業が非常に多い。中国人経営者などは『なぜ日本の企業は30年以上も続くのか』と聞いてきます。老舗企業の特徴のひとつは世襲です。世襲はマイナスイメージが強いが、アメリカのS&P500社の統計では世襲企業の方がパフォーマンスが高かった。リーマン・ショック後、アメリカでは世襲経営が注目されています。神戸大の研究では、社長が10年以上代わらない企業は、長期的に業績が上がるという結果も出ています。持続力は、老舗企業にヒントがあるかもしれません」
たしかに、イオン、ヤマハ、トヨタと“世襲色”の強い企業がランキングされている。
◆日東電工
◆イオン
◆T&Dホールディングス
◆ソニー
◆商船三井
◆三菱重工業
◆東京ガス
◆大和ハウス工業
◆日本郵船
◆ヤマハ
◆NTTドコモ
◆コニカミノルタ
◆リコー
◆東京エレクトロン
◆大正製薬
◆NEC
◆パナソニック
◆日産自動車
◆トヨタ自動車