旅行クチコミサイト「フォートラベル」の調査によると、今夏の連続休暇取得日数は7.2日。欧米に比べ短いとされる日本企業の夏休みだが、どれくらいの差があるのか? 世界各国に拠点を持ち、国際コンサルティングを行うジャパン・インターカルチュラル・コンサルティングの小野田美紗子さんに伺った。
「確かにヨーロッパの国の多くは夏休みを最低2週間取ります。フランスなどは1カ月休暇を取る人もたくさんいますし、デンマークでは労働者の夏休みを法律で義務付けているくらい。昨今、労働時間が増加傾向にあるヨーロッパですが、夏休みだけは変えないという意識が強いですね」
ヨーロッパのビジネスマンの中には週末用のマンションや別荘を持っている人も多く、海外旅行などに行けない場合は、そのような場所に長期滞在して、夏休みを満喫することもあるようだ。
「対してアメリカはヨーロッパほど長くありません。1週間ほど取るのが主流ですが、休まない人もいます。人種や宗教が多様なアメリカでは休暇に対する考え方も人によって異なるんですね」
さらにアジアへ目を向けると、韓国や中国では2、3日程度しか夏休みを取らない人も少なくないという。韓国・中国では、旧正月や、先祖を敬う秋夕(チュソク)に合わせて休暇を取るのを優先するため、夏休みを長くは取らないようだ。
こう見ると、世界に比べ「日本の夏休みが特に短い」わけではない模様。ただ、旅行予約サイト「エクスペディア」が20カ国を対象に行った「有給休暇国際比較調査2011」によると、日本の有給休暇取得日数(5日)は最下位。1位のフランス・スペイン・ブラジルの30日はおろか、おとなり韓国の7日をも下回った。やはり日本人は働きものなのか…。
ともあれ、限られた休暇だからこそ、思い切り夏休みを満喫したいものですね。
(河合 力)