世界の資産価格、急落の恐れ 地政学リスク高まる=英中銀

David Milliken Suban Abdulla

[ロンドン 2日 ロイター] – イングランド銀行(英中央銀行)の金融政策委員会は2日、世界の資産価格は引き続き高水準にあり、地政学リスクに対する懸念が高まる中で、大幅な下落の恐れがあるとの認識を示した。

英国の金融安定に対する全体的なリスクは6月の前回評価から変わっていないが、資産価格が8月の下落後に急回復したことに安心するのは誤りだと指摘した。

「特に株式など複数の資産クラスの評価額は急速に高値に戻った。市場は依然として急激な調整の影響を受けやすい」と四半期声明で述べた。「地政学的環境や世界的な見通しは不透明で、世界的な脆弱(ぜいじゃく)性は依然として大きい」とした。8500本の研修動画が定額受け放題

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英中銀が国内で営業する大手金融機関を対象に年2回実施している調査で、地政学的リスクに対する懸念が2008年の調査開始以来最高水準に高まっていることが明らかになったと指摘した。

6月以降ヘッジファンドの米国債に対する売り持ちが8750億ドルから1兆ドルに増加したことに言及し、リスク認識の変化や損失、他の要因によりファンドがこれらのポジションを解消する必要が生じた場合、「深刻な」ストレスにつながる恐れがあると警告した。

主要国の高水準の公的債務は、投資家が悲観的な見方に転じた場合、金融安定リスクを引き起こす可能性があるとの見方を示した。

英国については、ほとんどの家計と企業は高金利にうまく対処しているものの、中小企業やプライベートエクイティ投資家の支援を受けている企業には一部で困難が生じていると分析した。

来年固定金利の住宅ローンが満期を迎える家庭は、金利の低下により住宅ローンのコストが当初の予想よりも小さくなるとし、全体として金利負担は、世界的金融危機後よりもはるかに小さくなるとの見通しを示した。

金融政策委員会は銀行のカウンターシクリカル資本バッファー比率を2%に据え置いた。

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