世界への完成車生産拠点に 東北・連携会議

 東北6県の産学官でつくる「とうほく自動車産業集積連携会議」(代表幹事・達増拓也岩手県知事)は17日、宮城県庁で開いた幹事会で、東北の自動車産業振興に向けたビジョンの原案を明らかにした。来年1月に宮城県で完成車製造の新工場が稼働するのを踏まえ、ビジョンは東北が「完成車の生産拠点」を目指すことを明確に打ち出した。6月7日に青森市で開く連携会議の総会で正式決定する。
 ビジョンは「新・とうほく自動車関連産業振興ビジョン」。2007年度に策定した戦略プランを一部見直し、6県共通の目標としての位置付けをより強める。輸出に対応したハイブリッド車など環境対応車や小型車の開発・生産拠点を目指す方向性も明確にする。
 見直しはトヨタ自動車の完成車製造子会社、セントラル自動車(相模原市)の本社工場が宮城県大衡村で来年1月に稼働するのを踏まえた。戦略プランが「世界に向けた部品供給基地」としていた東北の位置付けについて、ビジョンは「世界への完成車・部品供給基地」に変更する。
 数値目標は最終年度を現行プランの11年度から13年度に延長。東北に立地する関連企業の目標数は100多い1300事業所に増やす。輸送用機械製造品出荷額の目標は2兆円のままとする。
 連携会議事務局の岩手県科学・ものづくり振興課は「東北が進むべき方向性をはっきりさせ、6県連携を強化したい」としている。幹事会には東北に立地するトヨタグループ会社の幹部も出席した。

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