米調査会社インターブランドが3日までに発表した2012年の世界ブランド番付によると、日本企業ではトヨタ自動車が10位と前年から1つ順位を上げ、リコール問題に揺れた09年の8位以来となるトップ10に返り咲いた。ただ、日本企業は100位以内に前年と同じ7社にとどまり、ソニーが4年連続で順位を落とすなど、やや停滞感が目立った。
番付はグローバルに事業展開する企業や商品が対象。ブランド力が収益に与える影響などを考慮し、ブランド価値として金額に換算した。
それによると、日本勢はソニー以外にも任天堂が48位から56位、ホンダが19位から21位に順位を落とし、製造業の苦境を反映する結果となった。一方、同じ製造業でもパナソニックは環境面の取り組み、日産は新興国での販売拡大がブランド価値の向上に寄与したと判断され、前年の69位から65位に順位を上げた。
海外勢では、米アップルのブランド価値が前年比約2・3倍の765億6800万ドル(約5兆9723億円)と大幅に増え、8位から2位に上昇。サムスン電子も40%増の328億9300万ドル(約2兆5656億円)でトヨタを抜いてアジア勢トップとなり、利用者が急増するスマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末で市場を席巻する両社の躍進が目立った。
5月に上場し、初めて調査対象になった交流サイト大手の米フェイスブックは69位だった。
首位は米コカ・コーラは調査開始以来、13年連続で維持した。しかしアップルとの差は大幅に縮まっており、インターブランドでは「来年は首位を明け渡すかもしれない」としている。
国別では、米国企業が53社と他国を圧倒。2位はドイツの9社で、7社の日本はフランスと並び3位だった。