サウジアラビアの世界大学ランキングセンター(CWUR)が7月1日、2012年のランキングを発表した。日本では東京大学や京都大学など、国立大学5校が世界のトップ100校にランクイン。第1位は、ハーバード大学だった。
現在主流の世界大学ランキングは、上海交通大学が行っている「世界大学学術ランキング(ARWU)」、英クアクアレリ・シモンズの「QS世界大学ランキング」、英タイムズ・ハイアー・エデュケーションの「THE-TR世界大学ランキング」の3種。算定に使用する指標や方法が異なるため、算出社によってランキングに違いが出る。
今回ランキングを発表したCWURは、論文掲載数や論文出版先の質、被引用論文数、大学の特許獲得数、ノーベル賞やフィールズ賞など世界的な賞を受けた卒業生数、グローバル企業の最高経営責任者クラスにいる卒業生数より、各大学の影響力、教育の質、教員の質などを算出し、総合ランキングを作成している。
CWURの大学ランキングによると、トップ100校内にランクインした日本の大学は、東京大学の第14位を始め、京都大学(第17位)、大阪大学(第32位)、名古屋大学(第74位)、東北大学(第79位)の国立大5校だった。第1位は、ハーバード大学が獲得し、トップ10以内には、マサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学、ケンブリッジ大学、オックスフード大学など、英米の有名校がランクインした。国別に見ると、ランキングされた100校中58校がランクインした米国がもっとも多く、英国の7校、フランスと日本の5校と続いた。
特徴的なのは、アジア地域の大学でランクインしたのは、日本の大学5校と韓国のソウル大学のみだったことだ。6月に発表されたクアクアレリ・シモンズ(QS)のアジア大学ランキングでは、東京大学がアジア地域で第8位にランクインし、香港科学技術大学、シンガポール大学、香港大学がアジアのトップ3大学と発表された。2つのランキングの違いは、QS社が各大学の国際性を重視し、外国人教員比率や留学生比率を指標として取り込んでいることだろう。外国人教員比率や留学生比率が低い日本の大学がQS社のランキングで下がり続けている大きな理由のひとつだ。